この恋は、絶対に秘密!
「お父さんがどうしてもこの婚約話を破棄してくれないって言うなら、私にも考えがありますから」

「な、何だ……!?」



オドオドしつつ問い掛けるお父さんに、私は口元にだけ不敵な笑みを浮かべて背を向ける。

そして部屋を出ようとすると、お父さんは縋るように私を呼び止めた。



「おおおい!待て、瀬奈!その考えっていうのは……!?」

「……………内緒」



振り向きざまにそう言い、唖然と口を開けたまま固まるお父さんを残して私はダイニングを後にした。



考えなんて言っても、咄嗟に思い付いたことだからとっても幼稚で安易なものだ。


そう、私が考えたのは──またしても家出。


だけど今度は一晩だけじゃない、お父さんが折れるまでの長期戦。

過保護なお父さんをオタオタさせるには家出が一番効果があるに違いない。


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