この恋は、絶対に秘密!
後悔を残して恋に終わりを告げた女(ひと)のような瞳をする汐美さんは、心は本当に女性なのだと感じる。

そんな表情を見ていると、なんだか私まで胸が締め付けられるような気がした。



「……ですから、私はお嬢様のお気持ちがよくわかるのです。
決められた結婚から逃げたくなるのは当然、愛する人がいるなら尚のこと。そして、その人の元へ行きたいと思うのもまた当然なのですわ」



そう言い切って微笑む汐美さんの瞳には、さっきまでとは違う力強さがあった。

そして不意に私の前に膝をつくと、男性にしては小さく華奢な両手で私の手をギュッと握る。



「私はお嬢様の味方です。家出のお手伝いをさせていただきますわ」

「え……ホントに!?」

「えぇ!お嬢様の愛する人の元へ送ってさしあげます!」



──えぇぇ!!??


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