この恋は、絶対に秘密!
「これで断られたらそれまで、脈がないのだと潔く諦めるのもアリですわ。彼の気持ちを確かめるチャンスでもあるのですよ!」



ここまで自信満々に言われると、確かにそうかも……と思えてくるから恐ろしい。

もともと私は人の言うことに影響されやすい部分があるから、そのせいなのかもしれないけれど。



「もしその殿方がお嬢様を再び受け入れてくれて、そこから愛が芽生えたとしたら……あぁ、なんて素敵なラブロマンス!」

「し、汐美さん……」



胸の前でお祈りでもするかのように両手を組み、うっとりと現実逃避してしまう彼は私より妄想力が逞しいようだ。

本当にそんなことになったら……それはもう嬉しすぎるけれど、でも。



「……汐美さんは、私が男の人の家に泊まることが心配だったりしないの?」


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