この恋は、絶対に秘密!
結局また岬さんに頼み込んでみることに決めた私は、汐美さんと話した後、早速荷物を纏めた。


かなり都合の良いことに、日曜である今日はお父さんが友達と温泉に行ってくれた。

宏典さんが来ることになっているのは20時だから、その前に帰ってくるつもりなのだろう。



私はお父さんが出掛けるまで当然家出するなんて素振りは見せず、ご機嫌取りに徹していた。

「ゆっくりしてきていいからね~」と言いながら、今まで一回もしたことがない肩揉みなんかもしたりして。


全ては家出作戦を円滑に決行するために。



日曜である今日は岬さんもさすがに休みだったはず。

その貴重な休日を邪魔したくはなくて、お父さんの気を良くして帰ってくる時間を延ばし、ギリギリまで待って家を出たのだ。


< 146 / 387 >

この作品をシェア

pagetop