この恋は、絶対に秘密!
車はあっという間に岬さんのアパートの前に着いた。

外から見上げた彼の部屋の窓からは明かりが漏れている。

すぐそこに彼がいるのだと思うと、急に胸が早鐘を打ち始めた。



「お嬢様、約束はちゃんと覚えていらっしゃいますよね?」



車を降りると、汐美さんがボストンバッグを手に私に問い掛ける。

私はずしりと重みのあるそれを受け取りながら、しっかりと頷いた。



「大丈夫よ。何か困ったことがあったらすぐ汐美さんに連絡する、でしょ?」

「はい。いつでも私が駆け付けますから」



汐美さんの存在はやっぱり心強い。

この後も、岬さんに断られた時のためにしばらく待機していてくれると言うのだから、本当に頭が上がらないわ。


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