この恋は、絶対に秘密!
一昨日見たばかりの黒いドアを前にして、私は一段と緊張していた。
一回深呼吸をしてから、意を決してインターホンを押す。
今日は巻いていない髪の毛を手ぐしで整えつつ待っていると、すぐにガチャリと音がして心臓が跳ね上がる。
「はい、どちら様……」
「こっ、こんばんは!!」
頭をくしゃっと掻きながら気怠げにドアを開けた岬さんの姿が見えた瞬間、私は勢い良く頭を下げた。
ゆっくり顔を上げると、一昨日と同様Tシャツにスウェット姿の岬さんが、私を見下ろして固まっている。
「あれ……絵瑠、ちゃん?」
「は、はい!突然押しかけてすみません!
あの、その節はどうもお世話になりましたっ……!」