この恋は、絶対に秘密!
“気まぐれな猫みたいだよ、絵瑠ちゃんは”

という岬さんの言葉を思い出す。


猫って……私のこと?

岬さん、私のために帰ってきてくれようとしてるんだ……。



そう思うと勝手に顔がニヤけてしまい、手で口元を覆っても隠しきれない。


少しでも私のことを気にかけてくれていることがすごく嬉しい。

……たとえ猫扱いだとしても。



「どう?和久井さん、終わりそう?」



突然頭上からそんな声が投げ掛けられ、私はハッとして緩んでいた顔の筋肉を引き締める。

見上げるとそこにいたのはふくよかな体型の女性、総務係長の安藤さんだった。



「あ、はい!あとこの業者の金額を確認すれば終わりです」

「そう。遅くまで悪いわね」



私を労ってくれる彼女のささやかな気遣いが嬉しくて、私は微笑みながら首を横に振った。


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