この恋は、絶対に秘密!
靴を脱いでお座敷に上がり、縛っていたゴムも外して長い髪の毛を手ぐしで整える。

メニューを見る手を止めてその様子を眺めていた鈴音は、感心したように頷いた。



「やっぱり眼鏡と髪型とメイクだけで別人みたいだね。でもその上司さんにバレないのは奇跡だよ~!」

「だよねぇ……私だってよく気付かれないなぁと思うもん」



もちろん鈴音は私が地味な姿で出勤していることも知っている。

だから今日の緊急事態のことも説明しやすくて助かった。



岬さんにはさっき“友達と急に会うことになったので、夕飯は食べていてください”とメールしておいた。

彼からの返信は“了解”の一言。

絵文字もなく、素っ気ないメールはどこまでも岬さんらしい。


アドレスも交換しておいて正解だったわ。


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