この恋は、絶対に秘密!
だけど、まだ認めるには早い!

彼氏でもないんだから未来くんの追及を恐れる必要はないはずなのに、私は出来る限り逃げようと思っていた。



「……やだなぁ、汐美さんってば私の逃亡の手助けするためにそんなこと言ってたんだ」



私は未来くんの手を解いて笑ってみせる。
気分は女優さながらで。



「上司だからこそ何も言わずに出ていくなんて失礼なこと出来ないの。女の人だけどね」

「へ~ぇ、名前は?」

「“ミサキ”さんよ!」



ミサキが名字だと言わなければ女性だと思える。

私は腕組みをして“どうだ!”と言わんばかりに答えた。



──すると、未来くんは何の返事もせず、ほんの少し薄茶色の瞳を見開き固まった。

それまでヘラヘラとしていた態度から一変して急に真面目な表情になる彼を不思議に思い、私は小首をかしげて問い掛ける。


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