この恋は、絶対に秘密!
「……どうかした?」

「ファインファクトリーの……上司の“ミサキ”……」



顎に手を当ててぶつぶつと呟く未来くんの横顔は彼があまり見せることのない無表情で、なんだかそれが胸騒ぎを起こさせる。

そして私に向き直った彼の瞳は、とても冷たい輝きを放っていてドキリとした。



「……瀬奈ちゃん、やっぱり一旦帰ろう」

「えっ!?」

「荷物は後で汐美さんとでも取りに行けばいい」



再びギアに手を掛け、すぐにでも発進させようとする未来くん。

私は咄嗟に逃げ出そうと助手席のドアを開けた。



「瀬奈ちゃん!」

「ごめんなさい……まだ帰るわけにいかないの!」

「このままそいつの所にいても瀬奈ちゃんが傷付くだけだ!」



──え…?


車から飛び出したと同時に聞こえた未来くんの言葉は、縄を掛けるように私を捕らえ動けなくさせられてしまった。


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