この恋は、絶対に秘密!

「……瀬奈、悪かった」



珍しく私に向かって素直に謝るお父さんに、ほっと胸を撫で下ろす。


事情を聞いて怒り心頭したお父さんは宏典さんをこっぴどく叱り、もちろん結婚の話も白紙にしてくれた。

ストーカーまがいの行動を許す代わりに、宏典さんが借りている物件はそのままにすることで話は落ち着き、ちゃっかりお父さんは損をしないで済んだようだ。


ようやく解放されたような気がして、私は安堵のため息を漏らした。



「それでお前、今まで誰の所で世話になってたんだ?」

「……一人暮らししてる会社の友達のとこ」



宏典さんを追い返し、休日でくつろぐお父さんの質問に、私は一瞬躊躇ったものの当たり障りのない返答をした。


食欲のない胃に、未来くんが作ってくれた甘い蜂蜜ミルクを流し込む。

今の私にはちょっと甘過ぎるかな……。


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