この恋は、絶対に秘密!
「じゃあその友達に何かお礼しなきゃいけないな」

「いいよ、私がしておくから……」



声にも元気のない私を、汐美さんも未来くんも複雑そうな表情で見つめていた。


その時、ダイニングのドアが開くとともにすっかり懐かしく感じてしまう高い声が入り込んできた。



「ただいまーっ!」



空気を変えるその明るい声の主に皆の視線が移り、お父さんは満面の笑みを浮かべる。



「おぉおかえりリツコぉ~!」

「お母さん、おかえり」



テンションが上がってなんだかしりとりのように叫ぶお父さんを横目に、私も久々に会うお母さんを迎えた。

長い髪の毛は後ろで綺麗にまとめ、ロングのワンピースにサングラスを掛けた姿で現れた彼女は、まるでバカンスにでも行ってきたようだ。


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