この恋は、絶対に秘密!
そして、外に出てゆっくりドアを閉める寸前。



「本当に引き受けてくれてありがとうございます。これでまた、新しい関係を作り上げていきましょう?」



……そんな意味深な言葉と、優しく微笑む彼女の姿が頭に焼き付いた。


パタンと扉が閉まり、トレーを持ったまましばらく立ち尽くす。


“新しい関係”って、どういう意味……?

やっぱり二人は仕事の取り引き相手という以前に何か関係があるの?


優海さんに似た、岬さんのことを名前で呼ぶ女性。
何もないということの方がおかしいのかもしれないけれど……。



「もう、私には関係ないことだもんね……」



ぽつりと呟き、下唇を噛み締めて事務所へと歩き出す。


胸の中に燻る想いは、無理やりにでも水を掛けて掻き消さなければ。

再び熱を持ってしまわないように。



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