この恋は、絶対に秘密!
久々に会う優海の両親に、若干緊張しながらも立ち上がって会釈した。



「来てくれてありがとうね。
弁当の件も、美波とうまく連携してくれていて助かるよ」

「いえ、こちらこそ」



お義父さんの穏和な性格は以前と変わらず、温かく接してくれることが嬉しい。

隣から顔を覗かせるお義母さんの表情はやはり浮かないように見えるが、それでも俺と目を合わせてくれた。



「……英司さん」



久々に聞いた、お義母さんの声。

優海とよく似たその唇から紡がれる言葉を、一言一句聞き逃さないように耳を傾ける。



「……私ね、ずっとあなたのことを憎らしいと思ってきた。
優海のことをもっと考えて、大事にしてあげてほしかったなって」



痛む胸をひた隠しにしつつ、彼女の言葉をしっかりと受け止める。


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