この恋は、絶対に秘密!
「まだあんなに若かったのに亡くなったあの子のことを想うと、誰かのせいにしなきゃいられなかった。
あの子がいない世界で、私達だけのうのうと暮らしていていいのかって想いもあったわ」



お義母さんは隣の美波ちゃんに目をやり苦笑いする。



「でも美波に怒られてやっと少し考えが変わってきたの。私もいい加減、前に進まなきゃいけないなって。
……だからあなたも、私達のことは気にしないでいいのよ」

「──え…?」



予想外の言葉に思わず目を開くと、お義母さんは優しく微笑む。

彼女のこんな表情を見たのはいつぶりだろう。



「あなたもずっと縛られてきたでしょう?でも、もうそれは終わりにしましょう。
この先好きな人が出来たらその人を大切にしてあげてほしいし、新しい人生を歩んでいってほしい」


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