この恋は、絶対に秘密!
その言葉に胸を打たれる。

心を縛り付けていた重い鎖が、今解けていくような気がした。



「でも、これだけは約束してくれる?
優海のこと、忘れないであげてほしいの」



瞳を潤ませるお義母さんに、俺も胸に込み上げるものを感じながらしっかりと頷く。



「……優海はずっと俺の心の中にいます。これからも永遠に」



その愛情の形は変わっているけれど、彼女を忘れる日なんて一生来ないだろう。



長いことあったわだかまりはようやく消え去り、俺達の間にも笑みが生まれていた。

花や線香を供えるお義父さん達を見ながら、俺の隣に来た美波ちゃんが言う。



「もうあんな弱気なことは言わないですよね?」



それがバーで話した時のことだとわかり、俺は苦笑を漏らした。


< 338 / 387 >

この作品をシェア

pagetop