この恋は、絶対に秘密!
緊張からか声は震え、喉はカラカラだ。

柔らかな風にふわりと散らされた前髪から、綺麗で真剣な瞳が覗く。

今その瞳に映されているのは……私だけ。



「気付いてたけど、もう恋愛なんてしないと決め込んでたから、君との関係を深めることに躊躇いがあったんだ。
でも、もう自分の気持ちを抑えるのはやめる」



少し距離を縮めた彼の足が落ち葉を踏み締め、カサリと渇いた音と私の心臓が跳ねる音が重なる。

そして、彼の口からはっきりと紡がれる言葉──。



「もう一度、俺のところへ来てくれないか?」




……信じられない……。


時が止まったように、睫毛の一本すらも動かせずに立ち尽くす。

そんな放心状態の私の手は、さらに力を込めて握られる。


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