この恋は、絶対に秘密!
「瀬奈……」



彼の私の本当の名前を呼ぶ声は、鼓膜を甘く痺れさせるよう。

ただそれだけで、目頭が熱くなる。


この手……もう離さなくてもいいの……?

そう問い掛けるように潤んだ瞳で見上げると、初めて見る、とてもとても優しい微笑みがそこにあった。



「君が好きだ」




──彼の顔が涙に揺れて見えなくなっていく。


秋の風が私に届けたフレーズは、紅く染まった木の葉を揺らすように私の心も揺さぶって。



「私も好きです……ずっとずっと好きでした……」



気が付けば、大粒の涙を零しながら、募りに募った想いを告げていた。


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