この恋は、絶対に秘密!
彼は真剣な表情になり、優しく私の頭を撫でながら言う。



「死別してるっていっても既婚歴があることに変わりはないから、しっかり話して理解してもらおう。
一人娘だから尚更心配になるだろうし」

「……そうですね」



英司さん、そんなに真剣に私とのこれからのことを考えてくれてるんだ……。

彼の真摯な気持ちが伝わってきて、すごく嬉しい。


でもたしかに、お母さんはともかくあのお父さんを説得するには根気がいるだろう。



「私のお父さん、本当に厄介なんで覚悟しててくださいね?」



過保護なお父さんの顔を思い浮かべて苦笑いしながら忠告するけれど、英司さんは余裕の表情。



「瀬奈をもらうためなら、そのくらいの覚悟どうってことない」



……そんな甘い言葉を封じ込めるように塞がれる唇で、私はまた幸せと快楽に溺れてしまうのだった。



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