この恋は、絶対に秘密!

──月曜日。

パーマが少し残った長い髪の毛を、後れ毛も出さずに後ろできっちり一つに纏め、
ほぼすっぴんの顔に黒縁眼鏡を掛けて、今日も私はせっせと給茶器の掃除をする。


そんな私の背後に、誰かが来る気配を感じて振り返ると。



「おはよう、和久井さん」

「お、はようございます、課長……!」



大好きな彼の微笑がそこにある。


いつもと変わらない日常。

けれど、彼との関係が大きく変わったことで、何気ない挨拶すらもなんだか緊張してしまう。



コーヒーを手渡すと「ありがとう」と言って受け取り、英司さんは颯爽と自分のデスクに戻っていく。

いつもの跳ねた寝癖を見ながら、以前とまったく変わらない態度に“さすが”と感心しつつ、ほんの少し歯痒さも感じた。


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