この恋は、絶対に秘密!
仕事モードの英司さんはやっぱり近寄りがたい雰囲気を醸し出していて。



「和久井さん、この間取り寄せた食器の請求書を見せてもらいたいんだけど」

「あっ、はい!」



こうやって何か用事があって話しても、にこりともしてくれない。


相変わらずクールだなぁ……
二人きりの時は優しくて甘い笑顔を見せてくれるのに。

ベッドの上でだってあんなに……

……って、何思い出してんの私!



一人顔を赤面させつつ、煩悩だらけの自分に呆れてため息をつく。


ダメダメ、集中しなきゃ。

仕事中に恋人気分を味わいたいだなんて、贅沢な邪念は振り払わないと!


頭をぶんぶんと横に振り、目の前のパソコンに向かった。


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