この恋は、絶対に秘密!
「そんなこと聞いて楽しいの?」



今度は逆に岬さんから質問をされた。

面倒臭そうにくしゃくしゃと頭を掻き、相変わらずの無愛想で煙草に手を伸ばす。


…機嫌損ねちゃったかな?

でもいつも通りと言えばそうだし、やっぱり彼の感情を読み取るのは難しい。



ちょっぴりバツが悪くなった気がして、私は膝を抱えて小さくなりながら呟く。



「だって…知りたいんですもん、岬さんのことが。
……一目惚れ、しちゃったから」




……って、この口は何を言っちゃってんのよ!!

いくら別人のフリをしてるからって恥ずかし過ぎ!


彼と違って単純明解な私は、きっと今赤い顔をしてるんだろう。



でも……間違いじゃない。

瀬奈の恋は、あなたに逢ったその日から始まってるんだから。


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