この恋は、絶対に秘密!

少し熱めのシャワーを浴びてなんとか気持ちを落ち着かせながら、昔友達から聞いた言葉を思い出していた。

“男は好きな女じゃなくても抱ける”って言葉を。


岬さんも例外ではないのかもしれないと思うと、やっぱり少し切ない。


だけど、さっき私はすごく焦りはしたものの怖いとは思わなかった。

肌に触れる彼の手に嫌悪感を抱くこともなかったし
……ただ、どうしたらいいかわからなくなってしまっただけで。

それはきっと、私が岬さんのことを好きだからなんだろう。



「でもまた呆れられちゃったかな……?」



結局口ばっかりのヤツだ、って思われてたりして。


岬さんが今どんな心境なのか、バスルームを出たらどう顔を合わせたらいいのか……

わからないままシャワーのお湯を止めた。


< 92 / 387 >

この作品をシェア

pagetop