猫 の 帰 る 城



**


夢を見た。

遠く向こうに、あの夏の彼がいる。


呆れるほど、何度も見た夢だ。

結末はわかっている。きっと今日も消えてしまうんだ。


それでも、手を伸ばした。

彼がその手をとってくれるんじゃないかと。

無駄な期待だと、知っていながら、やっぱりほんのすこし、期待して。



――――小夜子


呼ばれた名前に答えようと、大きく、息を吸い込んだ。




















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