その恋、取扱い注意!
本当に女の私たちから見ても綺麗なんだよね。
でも、接客しているのにほとんど笑わないし、紅緒さんはやっぱり他のニューハーフとは違うような気がする。

この仕事が好きじゃないとか?

「紅緒ちゃんはね~ お化粧しなくてもキレイなの。ホント、羨ましいわ~」

明菜さんは長いつけまつげをバサバサ動かす。

「飲みましょー」

美里ママにお祝いも言えたし、帰ろう。
おもむろに立ち上がると、皆が一斉に見る。

「どうしたのぉ? ミミちゃん、お手洗いかしら?」

「私はこれで――」

「なに言ってるのよぉー。早く座りなさいな」

帰ると言おうとしたのに、明菜さんに遮られた。
おまけに手首を掴まれ、強引に座らされる。

「あ、あのっ」

「まだ飲みが足りないわよ~」

手際よく水割りを作って、私の目の前に置く。

「はい。もう一度、かんぱーい」

明菜さんの調子に巻き込まれてしまい、少しならいいかと諦めた。


< 117 / 437 >

この作品をシェア

pagetop