その恋、取扱い注意!
ホッとすることに母からの着信記録はない。

もしかして帰っていないのが、ばれていない?

「じゃあね。泊めてくれてありがと」

廊下に足を進めながら、お礼を言った私ははたと思いだし、立ち止まった。

「どうして私はここにいるの?」

振り返り、のんびり歩いてくる湊に尋ねる。

「それは次回会った時にな」

「次回って、いつ?」

正体を無くしてしまったのは私のせいなんだけど、教えてもらわないと気持ちが悪い。

「さあ? 近いうちにな」

「湊っ!」

「そう目くじら立てんなって。ほら、行けよ。送ってやれずに悪いな」

背中をトンと軽く押されて、腑に落ちないもののパンプスに足を入れる。

「明日ね。明日、会おうね」

「明日は無理」

即座に断られて、地団駄を踏みたい気分。

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