その恋、取扱い注意!
玄関が開くと、すーっと冷たい空気が身体にあたり、気持ちがいい。
その風は冷房ではなくて、窓からの風。
高層マンションで海の近くだから、良い風が入ってくるようだ。
風にのって、潮の香りも。

湊は開き戸を開けてキッチンの中へ入っていく。
ここの造りはシンプルで、ごちゃごちゃしがちなキッチンはすりガラスの開き戸で、リビングから見えないようになっている。

「ここに置いておくよ」

「うん」

湊は大理石の調理台の上にスーパーの袋を置くと、私に近づいた。

「あ、二日酔いは大丈夫だった?」

「少し頭が重かったけど、もう治ったよ」

「ふたりで競うように飲むなんてバカみたい」

「冷たいな。ミミちゃん」

湊の私の名前を呼ぶ声が甘く響いた。
その声にトクンと心臓がときめいたけれど、湊を見ずにキッチンの中へ入っていく。

「すぐに作るから待っててね」

「りょーかい」

湊はリビングのソファに寝そべった。



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