その恋、取扱い注意!
「紅緒さ~ん、今日は誰かと待ち合わせなんですか?」

1週間に1回は来店する客が、ふいに聞いてきた。

「え?」

我に返った俺は甲高い声で聞いていた。

「だって、時計ばかり気にしているから」

「あ、いいえ。ちょっとネコのことが気になって……」

「紅緒さん、ネコちゃん飼っているんですかぁ?」

ミミのことを適当にごまかすように言ったのだが、彼女は本当のネコだと勘違いした。

「え、ええ」

「どんなネコちゃんなんですか? 紅緒さんには血統書のあるネコちゃんが似合いそう」

「いいえ。ただの雑種なんですよ。でもとても可愛くて」

さっきから時計を何度見たかわからない。
あいつはいつまでいるんだ? 終電に間に合わなくなるぞ。

内心、ハラハラしつつ、ミミが会計するのを待った。

終電まじかなのを全く気付いていなかった3人は慌てて帰って行った。

俺は頃合いを見計らって、ミミにメールを送った。
終電に間に合わなかったら、偶然を装い送っていくつもりで。
俺は基本ここで酒を飲まない。酒が入り、男が出たらまずいからな。

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