その恋、取扱い注意!
「やあね。紅緒ちゃんの顔して、湊にならないでよぉ」

「誰にされてるんだよ!?」

「高校の時に少し付き合った――」

「高野か!? 高校で付き合ったのは高野しかいないしな」

「そ、そうなの? 名前までは言わなかったわ。あ、獣医になるって北海道へ」

「そうだ。やつだ」

俺は焼きそばのパックをテーブルの上に乱暴に置くと、ウィッグを取りながら立ち上がった。

「あら~? もう上がり?」

「シャワー浴びて来る。頃合いを見てミミを帰らせろよ」

「まあ、騎士道精神発揮ってやつ?」

敬一が茶化すように言うのを睨み、奥のシャワー室へ向かった。

シャワーを浴び、湊の姿に戻った俺はミミの後をつけ、同じ電車に乗った。

声をかけずに、自宅に着くまで見守るつもりでいた。

それが、ミミは空いた席に座ると、すぐに居眠りを始めた。

まったく! 無防備にもほどがあるぞ?

最寄り駅まであと一駅。ミミは起きそうになかった。

しかたない……。

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