その恋、取扱い注意!
「髪、結構伸びたな」

「うん。半年以上前髪を切るだけで、後ろは切っていないから」

仰向けのまま、髪にシャワーがかけられ濡らされていく。

「湊は長い方がいい? 短い方?」

ガシガシと大きな手で泡立てられているのがわかる。

「ん? 俺はミミならどんな髪型でもOK」

「湊っ、それじゃ答えになってないよ」

「そうか? そう大きな目をギョロつかせるなって。どっちも好きじゃだめなのか?」

「んー 前は長い髪が好きみたいなこと言ってくれたのに」

あの時が付き合うきっかけとなった最初だと思う。お姉ちゃんの結納の帰りに家の前で湊とばったり会って……。

「ミミ、俺の言葉に縛られるなよ」

「えっ……?」

好きな人の言葉に縛られたいって思っちゃだめなの?

「ミミは自分らしく生きてくれるのが、一番好きだ。自然体のお前が、必然的に居心地が良い」

「それって、私が自分の思う通りに生きてくれれば幸せだって言ってるの?」

「そうだな。それに近い感じ」

「むぅ。なんだかわからない」

「あ、目閉じてて」

指示されて目を閉じると、髪にシャワーがあてられた。


薬が効きやすいせいか、ふわふわと浮いた感覚で頭がぼんやりする。このまま眠ってしまいたい……。

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