その恋、取扱い注意!
「ミミさん、座っていてください。ここは心配いりませんから」

そう言われても、ほとんど知らない人にキッチンを任せるのもと、落ち着かなく座ってなんていられない。

「旦那様のお名前はなんて言うんですか?」

「え? あ、湊です」

「湊さんですかー。素敵な名前ですね。イケメンだし。ミミさん、幸せそうですね」

ジャガイモを洗い終わったアリサさんは皮むきに取りかかっている。

「こんな素敵なアパートで羨ましいです。湊さん、良い企業にお勤めなんですね」


1時間後、ジャガイモと鶏肉の煮込みがぐつぐつとお鍋の中で踊り、ハーブやトマトソースの良い香りが部屋に漂っている。他にも温野菜のサラダを用意してくれた。

テーブルにすべての準備が終わった時、湊が帰ってきた。18時になろうとしている時間。忙しいのに無理に切り上げてきていなければいいのに……と考えながら、玄関に向かう。

「ただいま」

湊はただいまのキスしてから、「くん」と鼻をひくつかせた。

「ん? その手で料理したのか?」

説明をしようとした時、アリサさんの声がした。

「私がお料理させてもらったんです」

近づいてきて湊に頭を下げる。

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