あふれるほどの愛を君に
あっそうだ、と傍らに置かれた紙袋を手に取った星野。そして、
「はい、プレゼント」
テーブルの上にぽんっと置いて、誇らしげな笑顔を僕に向けた。
目の前に差し出された紙袋を見つめ、いいの?と訊く。
「いいに決まってるでしょ」
半分笑いながら、またふくれっ面をつくる。
「ありがと」
「ねぇ、ちょっと!」
プレゼントを手にとり隣の椅子に置こうとした僕に、すかさず星野が声をかけた。
「もうっ、相変わらずだなー。阿久津君のそういうとこ」
「え?」
ちょっと面食らって顔を上げると、睨まれた。
「普通開けるでしょ? そのまま放置されたら嬉しくないみたいじゃない。デリカシーないぞ!」
「いや、そういうつもりじゃないんだけど……ごめん」
「ほんと変わってないね。いつもみんなのこと見てて、みんなに優しくて、よく気の利く阿久津君……でも、」
「でも?」
「女心をわかってない!」
真っ直ぐに見つめられはっきりと言いきられて、なんとなくいたたまれない気分になった。