無題
『音乃ちゃーん!ご飯よぉー!おりてきてらっしゃい!』
1階からお母さんがよんでいます。
いかないと…
階段をすばやくおりて、食卓の椅子にすわりました。テーブルには、たくさんの豪華な料理がならんでいます。
いつもならならばないのに…。
『今日、早く帰ってくるって、お父さんいってたんだけど、無理だったみたい…』
『そうなんだぁ…。』
箸をとり、一番近くにおいてあったほうれん草のおひたしを口にしました。
いつもと味がちがいます。なんというのでしょう。甘い??
少し甘かったです。
『いっぱいたべてね』
お母さんは、笑顔でいってきました。
笑顔でいわれると、全部食べないとという気になります。
もう一度ほうれん草のおひたしに手をつけました。
口にあわず口の中でほうれん草がずっとのこってます。
お母さんにコップをさしだしました。
これは、小さいころからお母さんにやっていることです。
お母さんは、私がさしだしたコップにお茶をそそいでくれました。