無題


廊下で悲鳴と怒りの声がしました。

廊下には、たくさんのひとだかりが。



キャーーー血っでてる…


1人の女子生徒がひとだかりからでてきました。

彼女は、私達に教えてくれました。


そこで、有川と倉海が喧嘩してるよ。
倉海の口がきれちゃったみたいで…。私、先生よんでくる。あと、救急箱と。





それほどまで処置するほど傷口が酷いのでしょう。

床にポツポツと水玉模様の血がたれています。

ひとだかりをかきわけて、2人をとめようと思いましたが有川の顔が気味が悪くてとめることができません。

有川はずっと倉海の血をみて、その血をなめようとしてます。

みている人達は、有川の行動に興奮しています。まだまだ思春期な私達。
少しドキドキすると、もっとドキドキしたくなる。

なんとも気持ち悪い構成だ。

ありえない。


やめなよ。やめなよ。


何度いってもやめません。



『なにしてんだ。もう、チャイムなってるぞ!!』


隣のクラスの小宮山先生です。
あの子が呼びにいったのでしょう。

時計をみると8時28分。

25分になってるはずのチャイムが全然聞こえませんでした。

先生がきたとたんいっせいに教室にはいっていきました。

先生は、生徒達が教室にはいったのを確認すると廊下の血には、目をむけず、自分のクラスに戻っていきました。

3分後、私達の担任の先生がきました。

『騒いでたみたいだなぁ…。高校生にもなって喧嘩かぁ?やめろよ…。今度から気をつけるように…!ってことで、私は今から会議だから職員室にいくな。』


先生は、おりていってしまいました。

先生もきっとあの血に気付いてないのだろう。

私は、雑巾を手にとって廊下にでました。

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