無題

『他人には、関係ないでしょ!?あなたなんかが、口出ししないでよ。』

お母さんは、幸也を他人呼ばわりしてきました。

『なに他人呼ばわりしてんだよ!!』

私は、幸也をつれて家から出ました。

『俺ん家くるか?』

『っでも…』

『どうせいくとこないっしょ?』

幸也の笑顔に私も微笑んだ。


『ありがと。てか、ほんっと、あいつムカつく!!』

道路に落ちていた缶を蹴りました。怒りがすごかったので、缶は真っ暗の道に消えていきました。



『ただいまー』

『おかえり。』

『おっおじゃまします。』

久しぶりにくる幸也の家ですが、前きた時と全然かわっていませんでした。

『久しぶりね。あがってあがって。柊(しゅう)と凛(りん)も喜ぶから。』

『あっ…すいません…。』

リビングにいくと、幸也の双子の弟の柊君と妹の凛ちゃんがいました。
柊君と凛ちゃんは、まだ6歳です。
そして、ソファーに座ってテレビをみている、幸也の姉の杏子(きょうこ)さんです。

『メッチャ久しぶりだね。』

杏子さんは、私の憧れの人です。
いつも気軽にはなしかけてくれます。

『お久しぶりです。』

『いっつも幸也の面倒みてくれてありがとうね。』

『いえいえ。いつも面倒みていただいてるのは、こちらなので…。』

『えっ?そうなの?(笑)今後も幸也をよろしくねー。幸也ね、いつも家にかえったら音乃ちゃんの話しばっかなのよ(笑)』


『おいっ!姉ちゃん、余計なこというなよ…。』

『余計?なことだったかしら(笑)アハハ。お風呂入ってこよーとっ。柊、凛も入るよー。』


私にも兄弟がほしかった。みんなで笑いたかった。
冗談が言える相手がほしかった。

『今日、泊まってくか?』

『ううん…。迷惑だから…』


『お母さんにさっき聞いたらOKっていってた。泊まっていきなよ。今日と明日、おやじは出張で帰ってこないし。』

『えっでも…』

『よし!決まりだな。』


幸也は、私が手にもっていたカバンを椅子の上におきました。
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