冷たい彼

「用はそれだけか?」

へぇ、私の平手をくらってもびくともしないなんて
…さすが総長とでも言っておきましょうか。

「沙彩を、前の女の身代わりにするなんて…頭おかしいわよ、あんた」
「…!」

あ、眉が動いた。
これはあたりね、沙彩の言ってたことは本当のようね。
「…それをどこで聞いた」

「さぁ?」
「殺されてぇか」
「私は何をされても口を割るつもりはないわ」

沙彩のためだもの、何があっても教えるわけにはいかないのよ。

「…沙彩は知ってんのか?」
「さぁね、ご自分で聞いてくださる?」
「……」
「何度も言うけど何されても言うつもりはないから」

それだけ言うと私は浅川の教室を後にした。

< 118 / 337 >

この作品をシェア

pagetop