冷たい彼
でも後ろから足音が聞こえた、それが誰だか予想はつく。
「綺沙樹っ!」
私は当然無視して歩く速さを早めた。
「綺沙樹っ!!!」
「…ハァ…何よ?」
ため息を麻尋に見せつけるようについて気怠げに後ろを振り返る。
「さっきは…ゴメン」
「意味不明だから、私があれぐらいで傷ついたり怒ったりすると思うわけ?」
「そう、じゃないんだけどさ…」
「ならいいじゃない」
「綺沙樹、あのさ、俺…」
ゴメン、沙彩。
私…がんばれないみたい、弱い私でゴメンね…沙彩の恋は応援するわ。
「麻尋、私好きな人がいるの」
「……は?」
声が低くなったのは気にしない。
「だから、その人に誤解されたくないからあまり私に近づかないでくれるかしら」