冷たい彼

『沙彩の泣き顔は見たくねぇんだよ』

そう言って見えなくなる皇雅さん。
鉄パイプが振り下ろされる音と、骨が折れる音。

もう、あんな怖い想いはしたくない。
血塗れの皇雅さん何て、想像したくない…っ。


肩が震えていたのか皇雅さんが私を見つめてた。

「沙彩、何かあったか?」
「ううん、何でもないよ。ゴメンね、話を止めちゃって」
「いいの!私も、ゴメンね?」
「愛姫さんは謝らないで?私は大丈夫だから、続けてください」

もう、大丈夫。
そう思ってても手のふるえがおさまらない。

「っ!」

自分の手を握りしめようとしたら皇雅さんの手が重なった。
チラリと皇雅さんの方を見ると少しだけ、微笑んでくれた。

うん、もう、大丈夫。
皇雅さんはここにいるんだもん…。



< 335 / 337 >

この作品をシェア

pagetop