鬼と天使と少年と、



学校から出て雨乱たちと別れ、俺は一人家路を歩いていた。


ああ、仲直りできてよかったな。


第一に頭を締めるのはソレ。


だけど、家に近づくだびに俺の歩くスピードは確実に落ちている。

理由は簡単。


家の前にたつ身内の姿を見て、俺は冷や汗を大量に流す。



「おう、学校はどうだったぞ。楽しかったか?かっかっかっ、なーんせ"屋根をぶっ飛ばす"ほど、

興奮してたんだからのぉ…?」


「…………た、ただいま。

……………………爺ちゃん」



俺の目の前にたつ男性。


この人が、俺の爺ちゃんで……俺の師匠でもあるんだ。


爺ちゃんはニコニコ顔で笑いながら俺を見ているけど、俺としてはその裏に黒いオーラが見えて仕方ないんだが。


目をそらしたい。切に。


だけど逸(そ)らせないのは爺ちゃんから圧倒的オーラが出ているから。


とても60代とは思えない。

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