鬼と天使と少年と、
そしてもう一つ、爺ちゃんが60代に見えない理由がある。



丁度その時、魔法学校の女子数名が俺の家の前を通りかかった。

今どき~って感じ?


そんな彼女たちが、俺らの方をチラチラ見ながら頬を赤らめている。


んにゃ、正確に言うと……



「かーっかっかっか!おう、そこの女子(おなご)共、わしと今晩過ごさんかぇ?」


「えっ、あ、あのぅ……いいんですか?」

「どーしよー!イケメンに誘われちゃったーっ!」

「鼻血でそう……」


「かかかっ!若い子はええのぅ」


「ちょっと爺ちゃん……υ」



そう、俺の爺ちゃんは年齢のわりに20代にしか見えないほど若々しいのだ。

おまけに男の俺でも惚れてまう顔。


くそ、どこでイケメン遺伝子が途切れたのか、俺の顔は至って平凡顔。


ふ、不公平すぐる……!


俺が影でぶう垂れていると、爺ちゃんは俺の方をチラッと見て口を開いた。



「んー、でも残念だのぅ。今日は予定がはいっておるのだ。仕方なし……また今度、相手してくれるかぇ?」


「は、はいぃ……///」

「喜んで一緒に過ごさせていただきますぅ…!」


「かかかっ!嬉しい限りだのぅ」



………。

もう…なんも言えねぇ……


60路真っ只中のっ、しかも俺の爺ちゃんに負けるとか悔しすぎ!


俺より青春してんじゃん!

< 78 / 220 >

この作品をシェア

pagetop