ラブランディング
「んっ、あ……佑人ッ…!」

ユウの舌が首筋から鎖骨までゆっくりと這っていくだけで、まるで身体中に電流が走ったみたいにピリピリとする。

それは彼がうまいのか、私の身体が敏感だからなのか、はたまたお互い知り尽くしてるからなのかはわからないけど、自分の中の何かがとろけていくのはわかる。

片手で私の肩を押してソファへのもたれさせながら、もう片方の手で器用にシャツのボタンを外される。部屋着に着替えた後だからブラジャーはつけてなくて、まだ触れられてもいないのにピン、と立った乳首がいやに恥ずかしい。彼の愛撫を待ち遠しそうにしているのがバレバレだ。

「奈月…かわいい」

どうしてか、最初の頃からこの時だけお互いにいつもの愛称じゃなくて名前の呼び方が変わる。まるで、合図のように。だから、愛おしそうに奈月、と呼ばれるだけで身体が期待するようになってしまった。

今だって、呼ばれただけでこんなにも身体が熱くなる。

私にわざと見せるように舌を出して震える右の胸の蕾へと伸ばすと、舌先だけでそれを弾いてから口に含む。口内でまた舌で円を描くように唇との間で挟んで、手では左の乳首を親指で胸に押し込むように愛撫する。

胸が弱いのも、両方同時に弄ばれるのが好きなのも、全部ユウに教えられた。

だから、彼のすること全てが快感になるように開拓されたみたいに、素直に反応する。足の間の湿りは、自分でもわかるくらい。無意識に、それを確認しようとショーツに手を伸ばすと、ユウに見つかって手首を優しく捕まれる。

「や…」
「なに?もう自分で触りたくなるくらい、我慢できない?」
「ちがっ…」

反論しようとするけど、すっかり男の目をしたユウを見れば、何も言えなくなる。あるのは、ただただ彼を欲しいと思う本能だけ。欲しい。なんでも、彼の言うことを聞いてしまうくらいに。

「じゃ、自分でスるとこ、見せてよ」

彼のその楽しそうな一言で、今夜は長い夜になるのだろうと確信した。
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