ラブランディング
「なに、もうラブラブじゃん。一緒に暮らすようになって、倦怠期になればいいのにーとか思ってたのに」
「…友達の言うことじゃないよね、それ」
「羨ましいだけですー!」
そんな杏に苦笑いを浮かべながらも、やはり幸せそうな笑みがこぼれてしまう。
倦怠期の心配もない、安定期。「夫婦」と呼ばれるのは冗談だが、近い未来にはそれも現実になる…と二人で話し合ったこともある。確かに、付き合い始めた時のようなときめきや、胸がしめつけられる感覚もないものの、ただ二人で夕食を囲むだけで、時折涙が出そうなくらい満たされた気持ちになるのが本音だ。
「藍原先輩って仕事もデキるし、優しいし、でもノリいーし。本とお似合いだよね」
そんな、お世辞丸見えの言葉さえも、嬉しいと感じてしまう。
***
「麻田くん、ちょっといいかな」
「はい」
お昼の後の仕事ってほんと疲れるというか、眠くなる‥なんて思っていたら、珍しく課長に呼び止められた。急いで立ち上がって課長の机まで歩き出すと、彼の隣には綺麗な顔の男の子。
まだ学生、って言われても信じてしまうくらい幼くて、でもとても整った、中性的な顔立ち。上品な色のスーツがよく似合う、いわゆる「美少年」っていう感じ。
「…友達の言うことじゃないよね、それ」
「羨ましいだけですー!」
そんな杏に苦笑いを浮かべながらも、やはり幸せそうな笑みがこぼれてしまう。
倦怠期の心配もない、安定期。「夫婦」と呼ばれるのは冗談だが、近い未来にはそれも現実になる…と二人で話し合ったこともある。確かに、付き合い始めた時のようなときめきや、胸がしめつけられる感覚もないものの、ただ二人で夕食を囲むだけで、時折涙が出そうなくらい満たされた気持ちになるのが本音だ。
「藍原先輩って仕事もデキるし、優しいし、でもノリいーし。本とお似合いだよね」
そんな、お世辞丸見えの言葉さえも、嬉しいと感じてしまう。
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「麻田くん、ちょっといいかな」
「はい」
お昼の後の仕事ってほんと疲れるというか、眠くなる‥なんて思っていたら、珍しく課長に呼び止められた。急いで立ち上がって課長の机まで歩き出すと、彼の隣には綺麗な顔の男の子。
まだ学生、って言われても信じてしまうくらい幼くて、でもとても整った、中性的な顔立ち。上品な色のスーツがよく似合う、いわゆる「美少年」っていう感じ。