小さな主人と二人の従者
 ジュリアは二人の会話を聞きながら、ケーキを頬張り続けた。

「クリームがついているよ。ジュリア嬢」
「どこ?」
「ここだよ」

 ギャレットが唇を近づけると、ケネスがギャレットの肩を思い切り掴んだ。

「ちょっと痛い!」
「自業自得だ!」

 二人とも、ケーキを食べようとしないので、紅茶を飲みながら二人を眺めていた。
 それから家でのんびり読書をしたり、荷物の整理をした。部屋にはいくつもの武器や本、鞄の中に手帳が入っていたのでページを捲ると指を切ってしまい、ギャレットはすぐにジュリアの血に気づいた。

「ジュリア嬢、誘っているの?」
「誘っていない!」

 ギャレットが隣にいて、息をしないで後退した。すぐにジュリアの指を自分の口元まで持っていこうとしたギャレットを押し返した。ギャレットが諦めずに自分の口の中に指を入れて、そのまま舌を這わした。とても見ていられないので、固く目を閉じてじっと辛抱していると、ようやく指が解放されたので目を開けると、極近い距離にギャレットがいた。

「どい・・・・・・て・・・・・・」
「どうしようかな?」
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