ツラの皮


超絶高飛車勘違いナルシスト野郎の名前は清水高遠。


何の因果か私と同じ歳。


お買い得のモデル業界人とはコイツと先ほどの彼、そして他二名。


モデルなのは他二名で、遠くの席でオンナノコに囲まれ和気藹々と話している様はなるほど見るからに華やか。


先ほどのステキ彼は、寺山麻生さんと言って、ファッションデザイナーなのだそう。


そして隣にいる野郎はメイクアップアーティスト、だと。



胡散臭っ、と思ってしまうのは潜在意識の賜物だ。








「おい、ブスがブスっくれた顔してんじゃねーよ。ブスに余計磨きがかかるわ。」



「ウルサイわねっ。どこぞの性格ブスよりマシでしょ。」




チッ、自分がちょっと顔が良いからって。





ニヤニヤと人を小ばかにした笑みを睨み付けてぐいっとまたグラスを煽る。






「ああ、そーいやオマエ、俺の顔は好きなんだっけ。」


「好きとは言ってない。キレイって言ったのよ!」








生憎と美的感覚が狂っているわけではないので、顔の造形は整っていると認めざるを得ない。


悔しいことに。





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