ツラの皮




「………で、なんだってアンタが隣なのよ。」




テーブル席の際奥。


こともあろうか私の隣には勘違いナルシスト野郎。


どうやら会場入り前のやり取りを見られていた挙句に、仲が良いと勘違いされたらしく、気を回されたらしい。


余計なお世話だ。



際奥であるが故に私の反対隣には壁しかなくて……

出会いも展開のしようがない。







「言い寄ってくるのを一々相手するのも面倒だし、俺的には助かった。この際オマエが相手なのは目を瞑っといてやる。」




どこまで俺様だよ、この男。



私は八つ当たりにワインを煽った。


< 9 / 403 >

この作品をシェア

pagetop