ツラの皮
「………で、なんだってアンタが隣なのよ。」
テーブル席の際奥。
こともあろうか私の隣には勘違いナルシスト野郎。
どうやら会場入り前のやり取りを見られていた挙句に、仲が良いと勘違いされたらしく、気を回されたらしい。
余計なお世話だ。
際奥であるが故に私の反対隣には壁しかなくて……
出会いも展開のしようがない。
「言い寄ってくるのを一々相手するのも面倒だし、俺的には助かった。この際オマエが相手なのは目を瞑っといてやる。」
どこまで俺様だよ、この男。
私は八つ当たりにワインを煽った。