ツラの皮
「ふーんだ。調子いいんだから。女なら誰これ構わず誘惑して。コレだからモテル奴ってムカつくわね。」
俺がいつ!?
「スタッフの女の子に夜這い掛けられたとか、旅館のお客さんにも度々言い寄られてるとか、呑みにいけばキャバ嬢に囲まれてるとか。挙句には小学生にまで熱烈プロポーズ受けてるんだとか。穂積クン経由でアンタの悪行は色々聞いてんだから。」
アイツ等、一体どんなリークしてんだ!?
「俺の所為かよ。相手が勝手に近づいてくんだろーが。」
「フン。デトロイトの公害排水みたいに無駄に色気を垂れ流してるくせに。」
知るかそんなこと。
反論はままあったが、指摘はほぼ事実なので何を言っても押しに欠ける。
チェッと口を尖らせる。
「どーでもいいだろそんなこと。それとも何だ。妬いてんのか。」
アリエナイと思いつつ、少々希望を交えてそんな憎まれ口を叩く。
と、思いもかけず返ってきたのは沈黙で。
おい?
ひょっとして脈アリか?