ツラの皮




「ちょっとコッチ来てみろ。」



ぼけっと空を見上げて立ち尽くしている鈴の腕を取って橋を渡って遊歩道から逸れた細道へ入る。


眩い街灯から少し遠ざかっただけで星空は更に際立ち輝きを増した。




「わぁ、スゴイ!」



歓声を聞きながら俺は傍の柵に腰を下ろした。



確かに満天の星は圧巻で、重さに絶えかねて落ちてきそうな威圧感がある。


だが落ちてきそうというのは俺の感覚で、鈴に至っては




「……吸い込まれそう……」



そう言って俺の浴衣の袂を握った。
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