ツラの皮
星空に酔ったのかさしたる抵抗がないのをいい事に、更に大胆に強請る。
「…ちょ、や……タカト……!」
意外に豊かな双丘の稜線を掌で覆うと、怒った声で押し留められた。
「いきなり何すんのよっ!エロッ。」
「何がいきなりだ。十分そういうシチュエーションだろうがっ。」
「だ、だからってこんな場所でっ。」
「だったらオマエの部屋行くぞ。生憎と俺ン所は雑魚部屋だ。」
荷物から旅館の部屋の鍵を奪い、「そういうことじゃなーい!」と叫ぶのを丸無視して、鈴を引っ張って歩き出す。
ヤバイ。
キスごときでスイッチ入った。
「サイテイッ!体目当て!?アンタってそーいうお付き合いしか知らないの!?」
そーいう付き合いしかしてこなかったのは認めるが、これは全然違うだろが。
衝動に駆られて強引に迫るなんざ盛ったガキでもあるまいに。