ツラの皮
根も葉もない噂だと俺は知っていたし、仕事の都合上否定も出来ない立場に居るのだろうと訂正されないことも大らかに許していた。
それがオメデタイ思い込みだとも知らずに。
熱愛報道のお陰で雪乃の注目度はさらに上がり、映画の入りも前評を上回った。
ソレと同時にあれほど騒がれていた熱愛報道も成りを潜めいつの間にか収束していた。
ソレと入れ違うように再びマスコミは雪乃を取り上げていた。
今度はゴシップなどではなく、人気の高いドラマ監督に気にいられて新しいドラマの主役を射止めたという内容で。
気がつけば雪乃はいつだってスポットライトの中にいた。
話題性が乏しくなった頃、必ず何かで名前が取り立たされる。
それはもはや偶然とか運といった代物ではなかった。
ドラマや映画の役所や演技評価はともかく、知名度の高い監督や役者などとの恋愛を問わないマッチアップ。
雪乃はいつだって冷静に状況を見極め、情報操作に勤めていたのだ。
そのためにいつだって演技を怠らない。
例えプライベートであっても。
菅原雪乃は『役者』の塊―――役者そのものなのだ。