ツラの皮
「そんな事は今更お前に言われんでも分かってるわ!だから止めたんだろっ!俺は本気でオマエに好きだと言っただろうがっ!」
一瞬鈴が息を呑んだ。
しかし次の瞬間には眦を決して威勢よく吠え返してきた。
「何が本気よウソツキッ!傷から目を背けて、そのくせ拗ねてる自分を甘やかしてもらいたかっただけでしょ!アンタはなんだかんだ言って雪乃さんを引き摺ったままなのよ!」
カチンと来た。
何でコイツは――――
「何でオマエは、俺じゃなくて、アイツを信じんだ!」
吐き出すように叫んで、それまでキツク握り締めていた鈴の腕を振り放した。
「俺を信じないならいい。勝手にしろ。」
何もイイことはないが、お互い頭に血が昇っている状態でこれ以上怒鳴りあっていても埒が明かない。
好きだと言った俺より、会ったばかりの雪乃を信じるのも堪えたし、何よりそれで俺に仲直りを勧めてくるのがやるせない。
オマエ、冗談でも縁りを戻せば?なんて言ってくれるなよ?
そうして雪乃の筋書き通りまんまと鈴と仲違いして、
………俺は一体何をやってんだ、とかなり落ち込んだ。